遠目には焦げ茶地に白い柄の糸が見える大島のアンサンブルです。
昨年度までは、着物のオークションに行けば、大島のアンサンブルの出品数はかなり多かったのですが、今年はかなり減少しているようです。
今月9月は、オークション会場の出席を増やしましたが、それほど入荷は有りませんでした。
来月になればまた様子は変わるかもしれませんが、取り敢えず先日入荷した4セットの中の1セットを出品します。
着物と羽織の色目は、遠目には焦げ茶に白い糸の柄と記しましたが、もう少し説明しますと、灰色がかった淡い茶色の空五倍子色(うつぶしいろ)に似た色目です。
細かな一元式絣の亀甲柄を織り込んだ大島です。
亀甲数は100強になりますが、紳士用大島の亀甲柄は100個前後が一番見やすいようです。
(写真12枚目は、反物の巾1尺37,8cmの10分の1の亀甲数を表しています)
タテ糸2本、ヨコ糸2本を交差させて、風車のような井型の絣模様をつくる織り方で、大島の中でも非常に手間のかかる風車のような井型の一元(ひともと)の絣です。
(写真13~15枚目は一元式の亀甲で、USBマイクロスコープ顕微鏡で拡大して写しています)
着物裏地は京染め色羽二重風の黒ずんだ黄褐色の媚茶(こびちゃ)色に似た色目を使用。
羽織裏地は格子柄のしけ引き染を施した羽二重地友禅です。
道路上に矢印に沿って進むよう誘導している矢羽根マークに似た空白の形を裏地の真ん中に置き、その上下の格子柄をシケ引き染で染めています。
専用の刷毛で縦横の格子状に真っ直ぐに複数回染料を摺る(する)しけ引き染で、細い縞の模様を型等を使わず刷毛だけでフリーハンドで染めています。
表裏とも正絹です。
寸法(単位㎝)
身丈(背)144 裄68,5 袖巾34 袖丈53 後巾30 前巾28
羽織丈97 裄69
身長175cm位の少し肥満気味の方にお勧めです。
仕付け糸付きの着物で、汚れは無いようです。
シミ汚れ等は出来る限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。ご理解のほどお願いいたします。
デジカメの画像です。モニターによって色の違いが出ることがありますので、ご了承ください。
撮影に使用しました羽織紐と白い角帯は今回の出品物ではありません。