※稼働品ですが、動作時間は計測していません。
■キズ汚れ程度
風防:小
裏蓋:小
ベゼル:小
ベルト:小(社外品)
カレンダー:早送り可能
全体的な文脈:Seikomatic / マチック系シリーズ
まず「マチックR(Seikomatic-R)」という名称は、セイコーの自動巻きドレスウォッチ群「Seikomatic」シリーズ(あるいは日本語でマチック系)に属するモデル群の一種です。
この Seikomatic 系列は、1960年代初期から中期にかけて、手巻きモジュール方式ではなく一体構造の自動巻き機構を内蔵した設計を採用し、スリム化も志向したモデルが多く含まれます。
Seikomatic 系列は、後期には「Business」「Business-A」「Presmatic」などサブブランド名へ整理・展開されました。
Seikomatic-R はその中の薄型・ドレス向け寄りのバリエーションであり、技術的には 83 系ムーブメントを採用するモデル群を指すことが多いです。
8305-8010 モデルの仕様・特徴
以下は、このモデル(8305-8010)に関して確認できた仕様や特徴です:
項目 内容
リファレンス 8305-8010(Seikomatic-R / マチックR)
ムーブメント Cal. 8305(バリエーションとして 8305C 等)30石という表記例あり
自動巻き + 手巻き機能 このモデルには手巻き機能を備えたバージョン(8305C など)があった、という記録があります。
文字盤・ケース 金メッキケースの仕様例あり。放射仕上げダイヤル、ロジウムメッキのバーインデックス採用例。
裏蓋表記 裏蓋には「イルカマーク」や “WATER PROOF” 表記がある例があります。
ケースサイズ・厚み ある売り出し例によれば、直径 ≒ 34.9 mm、厚み ≒ 11.3 mm というものがあります。
製造年 1965年製という個体例があるほか、1966年製、1968年製の例も見られます。
たとえば、ある時計販売サイトには以下のような記述があります:
1965年製『マチックR(8305-8010)』。金メッキケース、裏蓋スクリューバック、文字盤は放射仕上げ、インデックスはロジウムメッキ。裏蓋にイルカマークと “WATER PROOF” 刻印。
また、ある出品情報によれば「May 1966 製造」との記録がある個体もあります。
技術的・歴史的意義・変遷
このモデル/ムーブメントが持つ技術的・歴史的なポイントを整理すると、以下のようになります:
83 系ムーブメントの活用
Seikomatic-R 系列には 83 系統(例:830、8305、8306 など)ムーブメントが使われることがあり、これらは比較的薄型化を志向していた設計が特徴です。
例えば、ベースとなる 830 は自動巻き機構をトレイン車輪レベルに統合した構造を取ることで薄型化を実現していたという記述もあります。
手巻き機能の追加
初期の 830 系統は自動巻きのみの仕様が多かったですが、後期バージョンでは手巻き機能を追加したバージョン(たとえば 8305C など)が存在し、利便性を高めています。
“R” の意味
“R” は “Re-worked”(再設計/改良)を意味する、または改良版を示す略称として使われた可能性が指摘されている例があります。ある販売説明では 8305-8010 は 8306 Business-A の先行モデルであり、“R” はその改良型を示すという記載も見られます。
Seikomatic 系列の統合と終了
Seikomatic 系列は 1960年代中盤~後期には整理・改称され、Seikomatic 名称自体は使われなくなっていきます。たとえば 1967年頃には Seikomatic 名称を廃し、「Business」「Business-A」「Presmatic」という呼称に移行した、という記録があります。
Seikomatic-P 系列(Presmatic)も技術的に上位化を図った設計であったが、短命に終わったという評価があります。
コレクター市場での扱い・流通
このモデル 8305-8010 はヴィンテージ時計市場で流通しており、落札・販売例が複数確認できます。落札相場を見ると、過去 180日間で最安 341 円、平均 5,564 円、最高 23,980 円という例もあります。
また、時計マーケットサイト WatchCharts によれば、このモデルはブランド全体平均を上回る価格上昇を示してきたというデータもあります。
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