■作品解説：福王寺法林の風景画は、単なる写生にとどまらず「自然を神域として描く」精神性に貫かれている。
戦後の日本画壇において、彼ほど大自然と真正面から向き合った画家は少ない。山岳信仰的な世界観、修験道的な祈りの感覚が、彼の筆致を通して画面に立ち上がってくる。
彼が描く滝には、単なる自然景観を超えた“精神の浄化”のモチーフがある。白い滝は俗を洗い流す象徴であり、仏教的な「滝行」や「禊」の概念とも共鳴する。法林はしばしば「自然そのものが仏である」と語っており、この作品にもその思想が色濃く反映されている。
本作は法林の代表的な主題である「山岳と水」の融合を象徴する一作であり、生涯にわたり追い求めた「自然への畏敬」と「心の浄化」の美学が、確かな筆致の中に息づいている。
■作家名：福王寺法林
■作品名：滝
■技法・ED：紙本彩色
■サイン：落款、印
■作品サイズ：縦59cm×横44.3cm（窓寸）
■作品状態：概ね良好
■額サイズ：縦80cm×横64.7cm
■額状態：概ね良好
■付属品・備考：箱
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